
制振ダンパーとは?最新の耐震技術で安心のお家を!
世界屈指の地震大国である日本。
近年、全国各地で大地震が発生すると同時に、今後30年以内に南海トラフ地震が発生すると想定されるなど、地震への備えは現実的な課題となっています。
「耐震」「制振(制震)」「免震」などの様々な地震対策の方法がありますが、その中でもコストパフォーマンスが良く、間取りにほぼ制限がなく導入しやすいことから、木造住宅の特性にあった「制振(制震)ダンパー」を採用する住宅が増えています。
そこで今回は制振ダンパーの種類や特徴、その効果などについて解説していこうと思います。これから住宅を建てる方はぜひ参考にしてみてくださいね。
目次
耐震・制振・免震の違いとは?
先述した通り、建物の地震対策として「耐震」・「制振」・「免震」と種類があります。
まずはこれらの違いについて簡単に説明します。
耐震
耐震とは、文字通り地震に耐えることで、地震による倒壊を防ぐものです。主に建物に筋交いや構造用合板、金具などを使って補強する方法がとられています。
制振
制振とは、地震の揺れを吸収することで、建物へのダメージを減らすものです。おもりや制振ダンパーなどの制振装置を内壁と外壁の間に設置します。
免震
免震とは、地震の揺れを受け流して建物に伝えないことで、基礎と建物との間にローラーなどの免震装置を設置し地面と建物を切り離したりと大掛かりな工事が必要です。建物へのダメージを減らすのみではなく、建物内部へのダメージを減らすこともできます。

制振ダンパーは必要?効果と実用性
耐震性がしっかりしていれば制振ダンパーは必要ないのでは?と思う方もいらっしゃるかもしれません。
免震工事についてはコストが制振工事の4、5倍ほどかかると言われており、一般の木造住宅では施工の敷居が高く、耐震性と制振性のどちらも高めることがポイントとなってきます。
一般的に耐震工事で建物自体を強くし揺れに耐え、余震などの繰り返す揺れには制振ダンパーなどを設置して備えます。
例えば2016年4月に発生した熊本地震でも、2か月間で1700回を超える有感地震が発生しました。
震度7の揺れが2回観測されたほか、震度5を超える余震も多く、ダメージを受けた建物が、その後の地震によって倒壊に至ったケースも少なくありません。
しかし住友ゴムの提供する制振ダンパーの「MIRAIE」を導入した住宅では、全壊・半壊を0に抑えられた、というデータもあり、現在では熊本城天守閣にも採用されています。

制振ダンパー(制振装置)の機能と種類
制振装置として主に活躍する制振ダンパーとは、壁や柱などの接合部に設置し、地震による揺れを吸収・抑制することで建物への被害を低減させることができます。
地震で一番怖い建物の倒壊を防ぎ、破損を防止する効果があります。揺れを吸収・抑制するのでとくに繰り返す揺れに強いです。なので建物自体を補強する耐震工法と併せて施工することでより効果を発揮します。
また、制振ダンパーは種類によって期待できる効果が異なりますので、それぞれの特徴等をご紹介していきます。
専門家に相談の上、ご自宅の形状・地盤・工法によってあったものを選ぶようにしましょう。
鋼材ダンパー

金や銅など、金属を用いて作成したダンパーのことで、金属が曲がる際の力を熱エネルギーに変えて地震の揺れを抑える仕組みです。
コストが安く、主に大地震への備えとして設置されます。ただし金属は何度も曲げるとエネルギーを吸収しなくなる性質があり、繰り返し起こる小さな地震には弱いです。金属を組み合わせただけの単純な構造なためメンテナンスが不要です。
オイルダンパー

シリンダ内にオイルを入れ、ピストンが移動する際の抵抗により揺れを吸収する仕組みです。
大地震から台風の揺れまで対応できます。小型なので設置しやすいですが、複雑な構造のためオイル漏れしていないかなど、定期的な点検が必要です。
また、小型なため複数設置しなければならず、他のダンパーと比べて高価なものが多いです。
粘弾性型(ゴム)ダンパー

ゴムなどの粘弾性体の性質の材料を制震ダンパーに入れて、地震の揺れに対して伸び縮みさせることで、揺れを熱の力に変えてダンパーに吸収する仕組みです。
ゴムやアクリル、シリコンなどさまざまなタイプのものがあります。
比較的コストも安く、伸び縮みするとゆっくりと戻る性質のため、小さな揺れから何度も繰り返し起きる地震に効果を発揮します。
ただし寒いと硬く、高温になると伸びる性質があるため気温差が大きいと劣化に繋がったり、比較的大型であることが多いので設計が難しいため、設置の際は経験のある業者を選ぶようにしましょう。
大地震時に対しては鋼材・オイルダンパーより効果が低いため、他のダンパーと併用されることもあります。
筆者おすすめ!富士工業「Kダンパー」
制振ダンパーは数々のメーカーが商品展開していて、それぞれ特徴や性能に差がありますので、見極めが肝心です。
今回は筆者のおすすめの「Kダンパー」を軽くご紹介します。

国土交通大臣認定!
温度・速度依存性の確認試験や、認定機関による厳しい試験・審査をクリアしています。
国が認めた信頼度の高い製品で、家族と住まいの資産価値をしっかり守ります。

摩擦ダンパー
安定した制震性能を発揮する「フェノール樹脂」を採用。自動車のディスクブレーキにも使われる優秀な樹脂で揺れを制御します。
Kダンパーの摩擦材の耐久性は、なんと169年以上※!700回の繰り返し摩擦の後でも性能の劣化は見られませんでした。
※大臣認定申請用試験結果
大地震の後には繰り返し余震が起こるため、本震は耐えることができても、後の余震で倒壊してしまう…ということも実際に起こりえます。耐震性と制震性を兼ね備えたKダンパーなら、震度5強以上の大きな揺れも、その後に起こる余震のような小さな揺れも、すべての震度をカバーできます。

壁倍率3.3倍
耐力壁の強度を表す数値「壁倍率」は、0.5~5.0倍の幅で設定されており、数値が大きくなるほど強度が高くなります。
Kダンパーは、鋼製K型筋交いにより壁倍率3.3倍という優れた耐震性も兼ね備えています。
大地震相当の振動にもKダンパーは、ぼぼ損傷なし
Kダンパー搭載の試験体と、一般的な耐力壁である筋交い工法の試験体それぞれに、同条件下で阪神大震災レベルの振動を加えました。
筋交い工法は激しい衝撃に耐えられずに構造体が損傷し、変形量も倒壊レベルに達しました。
一方、Kダンパーは優れた耐震性と制震性を発揮し、変形量を大幅に軽減していることが分かります。

まとめ
今回は制振ダンパーについて解説してみましたが、いかがでしたでしょうか?
おすすめのダンパーもご紹介しましたが、あくまで参考としてですのでご自宅の地盤・形状に合ったものを専門家監修のもと選ぶことをおすすめしています。
制振ダンパーを採用し、大切な家族と住まい・財産を守りましょう。
